由里りんのぷらいべ~となお時間

白石由里が、たびてつの記録、ヲタの記録、その他ぷらいべ~と(笑)な出来事をいろいろと語るブログ♪

『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(JUSTICE WITH MICHAEL SANDEL AND SPECIAL LECTURE IN TOKYO UNIVERSITY)



近年の哲学書の中ではおそらく一番ブームになったのが、このマイケル・サンデル教授の講義録ではないでしょうか? 講義風景がNHKで放送され、かつ講義録が単行本として刊行されたのが2010年とのことです。既に当時お読みになったり、書店でみかけたりされた方も多いかと思います。私も昨年あたりからずっと気になっておりましたが、今年になって文庫落ちしたのを知りまして、ついに購入し読むに至りました♪

この講義、いわゆるソクラテス的な問答を講義に取り入れ、身近な話題を材料に学生たちに議論させるのですが、その議論を直ちに題材として、現代の社会学的問題、政治的問題、社会福祉学的問題などを、著名な歴史的哲学者たちの思想ともリンクさせて講義するという、実にパネエ講義になっております♪ 面白いです♪

決して通読するのに易しい本ではありませんが、身近な題材から学生たちと対話・議論する内容となっているため、予備知識の有無を気にせず構えずに読み出すことができる本です♪ ただ、やはりハーバード大学というアメリカの著名な大学での、それも「政治哲学」の講義ですので、講義の中に著名な哲学者たちの思想が容赦なく登場してきます。そういったあたりは、知的刺激満載な反面、やや読むのに骨が折れるかもしれません。そのあたりはできれば哲学の概説書等を随時参照しながら読むと理解が深まるでしょう。とは言っても、あまり細かな知識にこだわらずに素直に読み進めても一応の理解はできると思いますので、さほど構えずに気楽な気持ちで手にするべき書と思います♪

内容面で私の関心のあるところでは、たとえばビル・ゲイツとかマイケル・ジョーダンといった、米国…いや、世界でも著名な人物を題材として取り上げ、彼らのように多額の財を稼ぐ者たちから多額の税金を徴収して貧しい人の社会保障のためのお金とすることが正義か否か?……というような、まさに社会福祉の根幹を問うような議論が出て来るわけですが……こういうのって、最近日本で問題になった社会福祉問題(生活保護の問題)などとも通じて来る問題でもあるわけでして、ぜひ我々のような「非高齢者たる日本人(笑)」は読んでおくべき書と言えます。日本の政局も混乱してそろそろ総選挙が来そうですしねえ。この程度の教養は、有権者として必須の教養ではないでしょうか? もたもたしていると、数の暴力で自分達の世代に有利な政策を誘導しようとするヲレ達の親世代こと高齢者ども(特に団塊の世代の数の暴力は凄まじい!)にやられてしまいます。高齢者連中に甘い蜜を吸わせぬためにも、ヲレ達はもっと政治に関心を持つべきですな! そういった意味でも、この程度の教養は必須です。

こういったハーバード大学での講義をもとにしたサンデル教授の著作『これからの「正義」の話をしよう』という本も文庫落ちしているようですので、近いうちにそちらにも手を出してみようかと思っております♪

それにしてもサンデル教授のこの講義、1000人を超す学生が聴講しに来るというのだから、マジパネエっす♪ 私の母校の大講義室がせいぜい300席程度だったので、1000人なんて物理的に無理だったと思うんですが、ハーバード大学ではこの講義はそれこそ講義室というより講堂みたいなところでやるんでしょかね? 1000人以上を相手にディスカッション型の講義を展開するっていうのもなんかすごいです。それも、学生たちにあらかじめブログで議論させてその内容を講義で取り上げるなどという現代ネット社会ならではの手法をもサンデル教授はフル活用しているんですよね! そりゃあ、人気も出るわけです♪ もっとも私の母校でも、前述の定員300名の講義室で立ち見が出るような人気講義もありましたけど(後にその先生の研究室に入って勉強しました♪)、それでも1000名というのはさすがにあり得ないというか想像が及ばないですね。サンデル教授の凄さがわかります☆ いずれ他の著作を読む機会も楽しみにしたく思います♪