震災の時に、友人や知人たちがお見舞いのメールをくださったり、「大丈夫？」と心配してくださったり、「頑張れ」と言ってくださるのは、とても嬉しく勇気づけられます。
しかし、テレビでACの震災復興バージョンCMが連日あそこまでしつこく流れると、ものすごくムカついたり気分が落ち込んだりします。「頑張ろう」とか「日本の力を信じてる」…とか、ACのCMで言われると、凄く嫌なのです。なぜか？
1つは、そういうCM流されると、震災から間もない頃の気分に戻されてしまうんですよね。せっかく、復興に向かって自分達が頑張ろうとしているのに、このうえ無関係のテレビからまでいちいち「頑張ろう！」とか勝手に言われると、いまだに震災ムードに気分が引きもどされ、落ちこみます。
もう1つは、「被災地にいる私達って、そんなに憐みの目で見られているの？ 被災地の私達って、そんなに可哀想なの？」と、すごく情けないような悲しいような、自尊心を傷つけられたような気分になるんですよ。「私たちは一人じゃない、世界の皆が見ている」…とかなんとか言っていたように思いますが、そんな言い方されると、なんか自分が可哀想な人間に思えてしまい、本当に傷つきます。
誤解の無いように再度繰り返しておきますと、自分の友人や知人が心配したり元気づけたり慰めてくださるのは、とてもうれしいのです。嫌なのは、自分のことを知らないアカの他人によって、憐みのCM流されたり、勝手に自粛されたりすることなのです。自尊心がどんどん削がれていきます。
震災からせいぜい2週間目とかだったらわかります。でも、こんなに1カ月もACばっかり流されていると、正直気が滅入ります。ムカつきます。いろんなタレントがACのCMに出演されていますが、そのタレントさんの顔を見るだけでムカついてきたりさえします。もちろん、タレントさんは純粋な使命感でCM出演しているので、罪は無いです。CMを流す側の方法の問題でしょう。
テレビはようやくバラエティやお笑いもだいぶ遠慮なく放送するようになってきました。以前は本当にひどかった！ 震災関連の番組ばかり！ 一定期間は必要だけど、バラエティやお笑いとか気晴らしに観たいぢゃん！
CMだって同じ！ あんなにAC流されてばかりじゃ、震災後のストレスフルな生活を思い出して本当に嫌なのよ。CMが正常に戻ってこそ、震災前の生活を取り戻せた感が出て来ます。
もちろん、もっと酷い思いをしている人たちには、いまだにACのCMのようなものが必要かもしれません。だったら、せめてNHKと民放で役割分担するとか、柔軟な方法がとれないのかとか考えちゃいます。沿岸部の被災地の人達の中には、バラエティなんて言語道断という人もいるでしょうし、震災関連番組なんてもううんざりという人たちもいるでしょう。選べるようにならないのかなーとか本当に思います。
CMをもっと正常化しましょうよ。正直、ACなんて数ヶ月は見たく無い！…っていうのが、今の正直な心境です。
もっとも、ACのCMばかり流れているのって、スポンサーも今回の震災で懐事情が厳しいという理由とか、スポンサーが批判を恐れてCMを自粛しているなどの影響なのかもしれませんが…。
ムカつくACのCM…ホントどうにかならんだろうか？
